えーどうしても野球の話しか出てきませんが。あとしばらくはしょうがない。
昨日は東京ドームに行きました。息子と二人で。
3塁側の指定席をとったのに、周りはみーーーんな巨人ファン。あれ?青い人はどこ?と探すと、ぽつぽつと点在している程度。いかん。空気が重い。周りの目が「親子そろって名古屋からのこのこと青いTシャツ着てきてんじゃねーよ。」と言ってる。「いや、僕たち中野区に住んでますよ!」なんて言ってもダメな空気。そりゃそうだ。この人たちは、昨年われらにプライドも何もズタズタに傷つけられたのだ。それが、また今年も3位のくせにこんなとこまでやってきてしまった。あーーーー!
それでも、K.Y. KING宣言してしまった手前、席につくなり、バッグから真っ青なCDキャップを出し、二人でかぶりました。幸い、すぐ前に座っていた中年夫婦の携帯電話に「ドアラ」がぶらさがっていたので、「いざというときはこの人たちが助けてくれる。」と思いました。
夏目漱石が「黄色い猿」と言ったのがよーくわかるぜ。
われわれは、「青い猿」か。とてもじゃないが、「竜」なんて言えない。「コアラ」って空気でもない。
この状況で、オレンジ軍団に、「いや、今世界の流れはですね、多文化共生であり、キーワードは『トレランス』と言いましてね。」なんつってもダメだろうなぁ。
完全に「文明の衝突」状態。ハンチントンもここまでは想定してなかっただろう。
そーいえば、昨年は調子にのって「アジアシリーズ」を2回もこの東京ドームに来ましたが、いつものクセでつい3塁側指定席をとってしまい、1回目は台湾人の中で、2回目は韓国人の中で、青い帽子をかぶっておとなしく座ってました。ははは。
しかし、台湾人や韓国人の中にいるよりも、同じ日本人であるはずの巨人ファンの中にいる方がこわかった。
そもそも人が二人いればもう異文化衝突ははじまるのだ。
だから、「国際理解には英語が必要」なんてとんでもねー!
英語なんかできなくても、外国人と交流なんかしなくても「国際理解教育」なんてできるぞ!
もう野球の話になれば、私の中では巨人ファンなんて、「外国人」どころか、それこそ「バーバリアン」でした。名古屋に生まれた私は物心つく前から、「巨人は悪だ。」と刷り込まれてきたのです。いや、私だけじゃないでしょう。多くの名古屋人も、多くの関西人も、広島人もそうだと思います。
私は高校生のときからブルースやR&Bが好きで、「黒人差別」関連の本などはよく読んだんですが、今になって思えば、私が巨人ファンに対して抱いている感情はまさしく人種差別です。刷り込まれたものなんです。
前の職場では熱狂的なG党の先輩がいまして、よくからかって遊んでいたのですが、心の奥底で、「なんでこんなにいい人が巨人ファンなんだ。」という気持ちがあったのです。ハックルベリーフィンやトムソーヤが奴隷の、あの、名前なんでしたっけ?あの人のことを仲間としてリスぺクトしながらも、「だけどあいつはくろんぼだから」と言ってしまう感覚と同じでしょう。
どんどん話がそれていきますが、「青いサル」の私は、久しぶりに「こりゃ空気読んだ方がいいかも。」と感じたのです。
さて、試合の方は緊迫した展開。竜が点をとると、すかさずGが追いつく。でも追い越せない。空気はどんどん重くなる。
しかし同点でむかえた8回裏、ついにG党歓喜の瞬間が近づいた。1死満塁で、代打ヨシノブ!私は「よかった。これで無事帰れる。」と正直思った。いや、いつもだったら心の中で、「ヨシノブ!てめーに打てるわけねーだろ、とっととすっこめ!アホが!」と思うのですが(口には出さないっすよ)、今日ばかりは、「もう早く楽にしてください。Gが日本シリーズに行ってください。西武と巨人の対決は日本中が興奮するでしょうから。それに、もう9時半ですし、うちの息子は明日学校があります。ここで逆転していただければ、もうすっきりした気持ちで安全に家に帰れますし、息子も明日寝坊することもありません。」とヨシノブを心から応援していた。
そういう今まで経験したことのない私の精神状態の中、ヨシノブが打った。ちょっとつまりぎみだが、前進守備の二遊間を抜けてセンター前!これで巨人が逆転!
と思った瞬間。
名手井端がまたしても
インクレディブルなプレーを披露した。
巨人ファンのプライドをまたしてもズタズタに傷つけたのだ。
私の周辺に点在した少数民族の青ザルが立ちあがって歓声をあげたが...
空気が凍っとる。遠くのレフトスタンドで歓声をあげる青い軍団が、キューバくらい遠くに見える。自分のまわりは凍っとる。危ない。
後ろのオレンジ・ギャルが「まじ気分悪いんだけどっ!」と叫ぶ...左ななめ前のガラの悪そうな兄ちゃんが、「イバターーーーー、てめーまじでうぜーんだよ!」と叫ぶ。
空気読めよ!イバターーーーーーーー!
しかし、竜軍団のK.Y.攻撃はまだ続く。
9回裏登場したクルーンに襲い掛かり、なんと今度は竜の逆転チャンス。そこへ出てきたのが、先日クルーンから勝ち越しHRを打った中村ノリ。もうだめだ。このままじゃ中日が勝ってしまう。こわい。でも、見たい。息子に「もう遅いから帰るか?」と聞くと、「何言っちゃんてんの!中日の大チャンスじゃん!」という。まーこいつに空気読めというのは無理だわな。しかし、かくいう私もこわいが見たい。
さて、中村ノリにクルーンがインコースの直球を投げる。打ちに行った中村がひっくり返ってボールをよけた。しかし、判定は「空振りストライク」。普段なら審判に「てめー、コラ、ナベツネにいくらもらっとんじゃい!」と心の中で叫ぶのですが、今日ばかりは「はい、審判がストライクと言えばストライクです!」と思う。
しかししかし....
背番号66がベンチから抗議に出てきた。
「カントクーーー。一生に一度でいいから空気読んで!」との私の願いも届かず、66番はスタスタと球審に歩み寄る。
私の周りの数名のオヤジが「オチアイーーー、てめえ、すっこめ!この野郎!」と怒りだす。
早くこの場から逃げたい。でも最後まで見たい.....
結局最後まで見てしまった。試合終了22時5分。
水道橋までの道のりも、G党の恨みつらみの空気が漂う。中央線のホームでなんとか青いユニフォームを着たカップルを発見。その後ろにひっそりと並んで電車を待ちました....
国際理解とか異文化理解なんてそんな甘いもんじゃない。そんなに簡単にわかりあえっこない。
それを再認識した1日でありました。
posted by Sen~or Tadoku at 17:16|
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